ハンドヘルドXRF元素分析機材にてよくお問い合わせをいただくことの一つが「異物検査」です。詳細検査は別の機材で実施するにしても、まず最初に「この異物は何なのか?」を迅速に非破壊で実行できるのがXRF元素分析装置です。特にハンドヘルドXRF元素分析装置はバッテリー駆動で持ち運びができ、利用条件により特別教育を受講する義務が生じる場合がありますが、多くの場合は免許など不要でだれでも操作できます。
異物がある程度大きい(数ミリ以上)場合には元素の定量測定ができます。市販されている多くのハンドヘルドXRF元素分析装置はもっと大きい物体の分析を目的に設計されているため、照射される励起光のスポット径(コリメータ内径)が1mm以上です。この範囲全域に励起光が照射されていれば定量分析が実行できます。
目視できる程度であるもののやや小さな(500ミクロン程度の)異物の場合には、定量分析ができないかもしれません。照射される励起光が定量分析には不十分だからです。しかしながら定性分析ができる可能性が濃厚です。「何が入っているのかを知りたい。」というご要望には十分対応できると思われます。
目視が極めて困難なレベルの大きさ(100ミクロン未満)の異物には定性分析もできない可能性があります。しかしながら密度が大きい物質ならば定性分析ができる可能性があります。もちろん大型の高価な機材を用いれば10ミクロンレベルの異物も分析できます。しかしⅩ線では可視光で用いるようなガラスレンズによる集光光学系を構築できないため、励起光照射のスポット径を小さく絞る特殊な工夫と高出力なⅩ線源、小さい視野を感度よく受光するための検出器が必要であり、必然的に機材が大型で高価になります。最大級の高輝度Ⅹ線源を利用できるシステムとして有名な施設は、理化学研究所のSPring-8(スプリングエイト)などが挙げられます。犯罪捜査における科学鑑定に使用されたりもしています。
ビトネスでは、ハンドヘルドXRF元素分析装置だけではなく大型のXRF元素分析装置も取り扱っていますので、ハンドヘルドで分析できないレベルの小さな異物検査でも、まずはハンドヘルド機材でテストしたのちに大型の機材でもデモできます。ワンストップな異物検査の相談先になりうるのです。
400nm以下の波長(約3.10eV)の光は普通の光学顕微鏡では透過・観察が難しいため、石英ガラス製の対物レンズを用いて観察します。石英製対物レンズでも約180nm(6.89eV)までしか透過しないとされているため、それよりも波長が短い(エネルギーが大きい)電磁波は透過できません。ちなみにXRF元素分析装置で用いる励起光Ⅹ線の最大波長は約0.124nm(最小値が10keV)であり、桁がまるで異なります。屈折率がほぼ1であるため、ガラスレンズで屈折させて集光することができません。「Ⅹ線画像」というものは、スポット径を小さく絞った励起光を試料に照射しながら走査して得られるのです。(大型機材で採用されている方法です。Ⅹ線天文台衛星などのⅩ線画像取得原理はこの説明とは異なります。)
ブルカー製の新型TITAN(タイタン)は、もともと高感度な検出器を採用しています。また「ディテクターシールド(米国特許)」により検出器を常時保護していますので、検出器と試料との距離が近いため、市販されているハンドヘルドXRF元素分析装置の中では最大級に高感度です。よって、微小な異物検査にもご利用いただける可能性があります。特に低密度物体(非金属液体、高分子化合物など)中の高密度異物(Ti以上の原子番号の元素)の定量試験検出限界は数ppmとされているため、本来含有されない元素の検出(異物検出)には適していると思われます。また、新型TITAN380やCTX800、TRACER5gには「規制物質測定アプリケーション」が用意されており、主成分が低密度プラスチックから金属合金までの試料中の有害元素(As, Pb, Cd, Hgなど)を数ppmレベルまで測定できる可能性があります。
ビトネスではハンドヘルドから大型までのXRF元素分析装置を取り扱いますので、「XRF元素分析装置のことならなんでも」ご相談ください。
