2026年4月に発表されて既に発売されている新型TITAN(以下「新型」を省略)の特長をまとめてみた。
1.TITAN Detector Shield (米国特許)
世界中で採用され続けてきた旧型のS1TITANから受け継ぐブルカーだけの特長。常に検出器を保護する。ブルカー以外のメーカー品は測定時以外にはシャッターなどで検出器を保護しているが、測定時だけは検出器を露出する。(そうしないと測定ができないから) その無防備な時間帯に異物が検出器に混入する危険性があって、現実にそのような故障案件を競合製品のお客様から聞いてきた。競合メーカー殿は「連絡をいただいたら即日代替機を発送する。」と言っている。(実際に競合メーカー殿から聞いた)
検出器が故障すると工場での修理となり、時間がかかるだけではなくお金もかかる。初期不良ではないからだ。
ブルカーTITANは検出器の故障がまず発生しえない機構だ。現実にS1TITANでは検出器の故障を聞いたことが無い。このことがどれほどの安心感をお客様に提供できるかを想像してほしい。
2.“GeoChemistry”測定アプリケーションでNa(ナトリウム)が測定対象となったこと
実はTRACER5gではすでにNaが測定対象となっていたが、TITAN380でも測定対象となった。
TITANシリーズ全機種にはTITAN Detector Shieldが搭載されているため検出器が常に保護されているがTRACER5gではこのシールドが無い。よってTRACER5gはTITANよりも高感度であった。しかし注意が必要なことはTITAN380で測定できるNaは検出限界値LOD(Limit of Detection)が純SiO2にて5012ppmであることだ。測定範囲は0-10.66%である。
TRACER5gでは検出器とⅩ線照射コリメータが密閉されたチャンバーに格納されていて真空引きやHe充填で測定実行できるため、空気雰囲気中の測定に比べてより高感度なNa測定ができるだけではなくF(フッ素)も測定できる。
また、標準装備されるPCアプリケーションを用いればTITANやTRACER5gの測定状況(スペクトルなど)をPC上で確認できる。この手法により定量だけではなく定性試験も手軽に実施できる機材なのである。
ハンドヘルドXRF元素分析装置は手軽な非破壊分析装置であるがプローブ部分を試料に密着させて測定実行することが前提であるため、文化財や絵画など非接触で測定する場合には定量試験ができず定性試験を実行できることと、事前の漏洩Ⅹ線量の測定にて管理区域の有無と対策が必要である。
*注1:TITAN380は旧S1TIAN800の後継機種である。 旧S1TIAN500Sや500の後継機種であるTITANシリーズは近日発売開始予定である。
*注2:新型TITANの最高位機種TITAN380を旧S1TITAN800と同等水準の特別価格帯にてご提案。導入費用については、個別にお見積りいたします。(2026年8月31日ご注文分まで)
3.レールマウント装備
文化財や絵画など常に非接触が求められる試料において厳密な位置決めを可能とする手法としてTRACER5gでは「レールマウント」が採用されている。これがTITANにも採用されたためTITANも厳密な位置決めが可能となった。
従来はカメラ用の「三脚」「ラテラルアーム」「自由雲台」を用いてTRACER5gを位置決めされていた。試料にプローブ部分を接触させないように1mmの距離まで近づけるのだがラテラルアーム自体の移動に微調整が効きにくかった。これは調整が極めて困難な機材であったため、株式会社ビトネスではこの位置決め作業を簡便化する装置を開発した。(ご参照:https://witness.co.jp/tracer%e7%b2%97%e5%be%ae%e5%8b%95%e8%a3%85%e7%bd%ae/ もしくは「株式会社ビトネス 位置決め」で検索)
4.ビューカメラの新設(オプション)
ハンドヘルド蛍光Ⅹ線元素分析装置は試料の元素分析を実行することが本分ではあるが、試料の画像を残したいというご要望があった。TITANでは従来の「照準カメラ」のほか、「ビューカメラ」を新設した。
いずれもカメラはオプションのため不要なお客様へはこれらを削除して価格低減に貢献できる。
総括
TITANは単に「S1TIAN」のマイナーチェンジではなく、TITAN Detector Shieldを継承し、検出器を高感度化し、レールマウント採用により位置決めができるようになり、ビューカメラも装備できるようにした。と、言うことになる。2012年の発売開始以来世界中で採用され続けたS1TIANの後継機種として満足のいく仕上がりではないだろうか。
株式会社ビトネス(https://witness.co.jp/もしくはhttps://witness.co.jp/elementor-702/)ではハンドヘルXRF元素分析装置の専門家(元(ブルカージャパンの担当社員))がご検討の相談からご購入後のサポートまでいたします。
