私は会社勤めをしていた時に合計5年以上の売り手側の経験があり2年半以上ブルカージャパンでハンドヘルド蛍光Ⅹ線元素分析装置と全反射蛍光Ⅹ線元素分析装置のセールス・アプリケーションマネージャーをしておりました。さまざまなお客様との折衝で得たお言葉などを基にして、逆にお客様側から機材を選定するのによい方法を披露いたします。
前回記事では「XRF機材を始めて検討される場合」について記述いたしました。今回は「買い替えの場合」について記述いたします。
買い替え需要の場合、多くの場合は「買い替え前のメーカー品を選択する」というのが最も良いと思われます。
2.買い替えの場合。(1.初めてご購入の場合。は前回の記事です)
2-1. これまでご使用されていた機材に満足されているのでしたら、そのまま後継機種を選択されることが最良ですが、購入する過程にて必ず相見積もりを採られる必要があることが多いようです。また、買い替え前の機材を選定された時期(おおむね10年前でしょうか)と現在では機材に求められる仕様も異なっているかもしれません。よって「1.初めてご購入の場合」と同様に、あとは「判別されたい合金の種類」、「価格」、「アフターサポート内容」、などが比較項目となるでしょう。多くの場合には買い替え前のメーカーがすべてを問題なくクリアするでしょう。ワブテック(旧エビデント、旧オリンパス)のVantaやサーモフィッシャーサイエンティフィック(独占販売代理店:リガク)のNitonなど製品はブランドイメージ通りの素晴らしい機材だと私も思います。
2.2 従来機材メーカーに問題がった場合(価格)
市場を寡占している大手2社(ワブテック、サーモフィッシャーサイエンティフィック)は、既に日本におけるブランドが確立されているため、あえて値引いて販売する必要がございませんので値引きしないと多くのお客様からお聞きしております。また定価設定も高額です。また近年のインフレーションにより多くの品物やサービスの価格が上昇しており、ハンドヘルXRF機材もその例外ではございません。そこでビトネスでは新型TITAN380(アルミなども測定できる最高位機種)の価格を旧型S1TITAN800と同水準価格(2026年8月31日ご注文分まで)、もしくは競合製品相見積もりにより競合製品よりも必ず安価にて、お見積りを申し上げます。また廉価版機種も近日発売開始予定ですがこちらも競合製品相見積もりにより競合製品よりも必ず安価にてお見積りいたします。世界中で採用され続けるブルカー製品をこの機にご検討されてはいかがでしょうか。
2.3 従来機材メーカーに問題がった場合(アフターサポートなど)
どのようなメジャー製品でも必ずアンチとなるお客様が一定数存在します。アフターサポートはその最も有力なその原因候補であり、メーカーの対応というよりも代理店の対応ミスによることが多い気がします。私がブルカージャパンに在籍していた時にTRACERをご使用のお客様からご連絡をいただいて訪問したところ、名刺交換時に「あなた、●●株式会社にいた人ですよね。あの会社を思い出しただけで気分が悪くなったから帰ってくれ。」と、言われて名刺も新しいTRACERのパンフレットも突き返されたことがあります。(私はブルカーに来る前に●●株式会社で勤務していて、出禁になった担当者の代わりに謝罪しに来たことがありました。)そのお客様はTRACERファンでいらっしゃったのに競合製品を新たにご購入になったようです。
また別のTRCAERの新規お客様からは、「共同研究者の〇〇先生が●●株式会社のことが嫌いだから彼らの代わりにブルカーのあなたが納品取り扱い説明に来てください。」と言われたそうで、中間商社から私が説明要員として指名されたこともありました。
ここで私が言いたかったことは、信用を失うと評判が落ちるということです。またその噂は別のひとにも伝わるという事です。(当たり前のことを言って申し訳ございません。)
他メーカー代理店の具体的な話は分かりませんが、「機材購入後に担当者と連絡が取れなくなる」「約束事を反故にする」「嘘をつき通す」という人が、世の中にまったくいないわけではないと思いますので、数多くの台数の機材を販売されている競合メーカー代理店にて、これまで一度も間違いなくアフターサポートできたということは無いと思われます。よってその場合には買い替え時には買い替え機材とは別メーカー品を選択されると思います。その場合もやはりそのメーカーの代理店の対応を注意深く観察することが重要でしょう。
買った後のことを買う前には判断できませんので、できれば紙に書いてもらうなど約束事などは議事録を採っておくことが重要です。議事録というよりもデモや打ち合わせの要点をまとめた文書を作成してもらってください。ここで営業マンの商談をまとめる能力を推測できます。お互いに時間をかけて打ち合わせた結果などを約束事として営業マンに宣言してもらうことと同義ですが、これをできない営業マンは信用が低いのかもしれません。私は訪問後には必ずその日の打ち合わせ内容、合意事項などをe-mailにて参加者一同へお礼メールとしてお送りしています。ご要望をいただけましたら文書にして提出しています。要点をまとめることが代理店側だけではなくお客様にも考えをまとめる材料になります。もちろん、その文書に間違いや行き違い、追記事項があったら堂々と訂正依頼をしてください。
私は25年以上にわたってシステム製品を設計、製作、販売、保守しておりましたので、議事録、仕様書の作成や訂正は日常茶飯事でした。見積書提出時は同時に「見積仕様書」を添付し、お客様からのご承認をいただいてからご注文を受けておりました。営業職にあって仕事の時間の大半は、ご要望のお聴き取り、ご要望性能を証明する実験、仕様書の作成などが占めておりました。仕様書などは単に機能性能を記載するのではなく、ご要望内容を客観的(できる限り数値と単位を伴って)に記述される必要があり、これはある程度の訓練をしないと身につく能力ではございません。ハンドヘルド蛍光Ⅹ線元素分析装置におきましても、ただ単に既製品を右から左へ販売するのではなく、お客様のご要望に則した機能性能の品を過不足なくご説明してデモにて性能を証明し、ご納得してご購入いただくことが重要だと考えております。いわゆる提案型の営業スタイルです。
それに対して、製品パンフレットをお客様の前で並べて「選んでください。」と最初から言う感じの営業方法もあるかと思います。そのような営業マンはお客様から信頼されていないか、ご要望をお聞きするという必須な作業を放棄しているのか、製品知識が全くないのか、これらのいずれかでしょう。この場合には営業担当を変えてもらうか代理店を変更したほうがよいでしょう。なぜならそのような営業マンは自らの役割を放棄しているからです。乗用車に匹敵する価格の品をネット販売で購入されるお客様はいらっしゃらないと思います。(ネット販売でブルカーハンドヘルド蛍光Ⅹ線元素分析装置が出ていないかを調べたら、アリババなどのサイトに出ていました。ブルカー製品は世界中で販売されていますので諸外国からブルカー製品を個人輸入することは可能ですが、日本においてのアフターサポートを受けることができません。)
多くの台数を販売されている代理店には、「面倒なお客様は相手にしない。」という傾向が見受けられます。これはお客様が面倒な人というのではなく、「営業マンにとってご要求が難解である」ということです。しかしながらそれは営業マンの側にご要望を聞き取る能力が欠けているだけなのです。大手は大量に販売しているから大手なのであって、営業マンにとって難解なお客様を相手にするよりも簡単に買ってくれるお客様へ時間を割いた方が効率が良いのです。また値引きもしない傾向にあります。代理店側にとっては営業マンにかける教育の時間を短縮でき、多くの人材を営業に充てられます。結果としまして売り手側の生産性が向上します。
アフターサービスの具体例は故障発生時の対応でしょう。ワブテック(旧エビデント、旧オリンパス)は「故障のご連絡をいただいたら翌日には代替機を発送いたします。」というのを特長としているようですが、これはメーカー側からのサービスの押し付けです。正解はお電話などでの故障診断を即実施するべきなのです。お客様の側に立って考えればわかることですが、「今、機材が壊れたようだ。」というメッセージは「今すぐ復旧してほしい。」と同じです。私の経験則ですがお電話での故障診断の結果、故障ではなかった事例が約半数です。これらのお客様はそのお電話の後も継続して機材を使用できますし、無駄な出費も防げます。お電話での故障診断で明らかな故障が認められた場合やお客様がサービスマンによる本格的な故障診断をお求めになった場合には、機材を代理店にお送りいただきましてメーカー認定の代理店サービスマンがメーカーの手順書に従って故障診断を実施し、故障個所を特定、報告書と修理見積を作成、提出いたします。(他メーカーでは代理店ではなくメーカーが実施するのかもしれません。)ブルカー正規代理店の新興精機(ビトネスの営業委託元)では、ブルカーで正規教育を受けたサービスマンが故障診断と修理作業をいたしますので、メーカー直送よりも迅速なる対応が可能です。
*Ⅹ線管球故障の場合はブルカー工場での修理が必要です。Ⅹ線管球からの制動放射は測定において最も重要なファクターですので検出器と一組で管理されていて、工場が所有する多数の校正用標準試料にて検量線を引き直します。
2.4 従来機材メーカーに問題がった場合(従来メーカーには問題が無いが、他メーカーに気になる機材があった場合)
買い替え需要の場合には、ご購入された機材が10年前くらいの製品であることが強く想像されます。10年も経過すれば他社も魅力的な製品を発売しているかもしれません。この場合も前述通り「1.初めてご購入の場合」と同様に、あとは「判別されたい合金の種類」、「価格」、「アフターサポート内容」、などが比較項目となるでしょう。
いずれの場合にも次の内容も重要でしょう。
2.5 最後に会社の信用度でしょうか。高価な機材をご購入されるにあたりまして、やはり小企業から購入することにご不安を抱かれるのは当然です。ブルカー正規代理店の新興精機の営業委託としてビトネスは活動しておりますので、売買契約は新興精機と行っていただくこととなり、弊社のような小企業が介することはありませんので心配ご無用です。
2.6 中間商社様について。お客様の出入りされているなじみの商社様へまず相談されてからお問い合わせを商社様からいただくことが多いようです。ここで中間商社様にお願いがございます。ブルカーは多くの製品を販売しており正規の代理店契約は製品ごとに締結しているようです。少なくともハンドヘルド蛍光Ⅹ線元素分析装置は正規代理店が現在2社しかございません。新興精機とジャパンマシナリーです。前述しました独自のアフターサポートや特長はビトネス固有すなわち新興精機だけのものですので、この記事やサイト、ビトネス広告をご覧になられた場合にはまず弊社ビトネスへご一報をいただきますようお願い申し上げます。
また、ブルカー他製品の正規代理店様にて「うちはブルカーの正規代理店だからハンドヘルド蛍光Ⅹ線元素分析装置も売れるはず。」と、思われる方が多いように見受けられますが、ブルカーに連絡をされましても新興精機か弊社もしくはジャパンマシナリーを紹介されることになります。その場合はビトネスへご連絡をいただきますようお願い申し上げます。迅速なる対応をさせていただきます。
ハンドヘルド蛍光Ⅹ線元素分析装置のご購入を検討されることは乗用車をご購入されるときと同様なのかもしれません。ハンドヘルド蛍光Ⅹ線元素分析装置の営業マンと話されるときには乗用車を検討しているときと同様にご判断をされるのもよいかもしれません。
次回は「ハンドヘルド蛍光Ⅹ線(XRF)元素分析装置の選定方法(廃プラスチック中間処理業者様の場合)」にて投稿しようと思います。
